| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨
ESJ68 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-075  (Poster presentation)

MigSeq法によるアポミクシス植物ドクダミの遺伝構造解析
Genetic structure of apomictic plant, Houttuynia cordata, analyzed by Mig-Seq

*井上(高橋)みずき(日大・文理), 大江修平(日大・文理), 阪口翔太(京大院・人間環境), 佐藤光彦(東北大・農), 松尾歩(東北大・農), 陶山佳久(東北大・農), 瀬戸口浩彰(京大院・人間環境)
*Mizuki INOUE(Col. Hum. & Sci., Nihon Univ.), Shuhei OHOE(Col. Hum. & Sci., Nihon Univ.), Shota SAKAGUCHI(Life. & Sci., Kyoto Pref Univ.), Mitsuhiko P SATO(Grad. Agri., Tohoku Univ.), Ayumi MATSUO(Grad. Agri., Tohoku Univ.), Yoshihisa SUYAMA(Grad. Agri., Tohoku Univ.), Hiroaki SETOGUCHI(Life. & Sci., Kyoto Pref Univ.)

アポミクシスは有性生殖器官を利用して行う無性繁殖である。有性生殖による遺伝的多様性の増加を期待しにくい繁殖様式であり、アポミクシス植物は進化の袋小路に陥った種であると考えられてきた。ただし、絶対的アポミクシスから有性生殖へと可逆的に進化することも明らかになっておりアポミクシス植物の系統地理関係を明らかにすることはアポミクシス植物の進化を考える上で興味深い。東アジアに広がる日華植物区系(日本・中国南部からヒマラヤ付近)に広域に生育するドクダミは地下茎とアポミクシスによる無性繁殖を行う多年生草本であり、種内の染色体数に多型がある。MIG-Seq法によるゲノムワイドなSNP解析を用いてドクダミの遺伝的多様性と個体群の遺伝的な分化の程度について明らかにした。中国14地点、ネパール2地点、日本30地点から採取したドクダミの葉、計504サンプルからDNAを抽出しMIG-Seq法により分析、フィルタリングし403サンプル、92SNPsをもとに解析した。Structure, DAPC, NJ系統樹の結果からは、日本が1つにまとまる一方で海外サンプルは多様であることが分かった。海外調査地の中では、ネパールが独立のクラスターを形成し、また広東省雲南省西畴県などの南部地域も1つのクラスターを形成した。雲南省の中でも保山市とそれより近傍の西側では境界がみられる傾向にあった。これらの結果を踏まえ、ドクダミの分布と遺伝的多様性について議論する。


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