| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨
ESJ68 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-231  (Poster presentation)

感染症と気候変動:渡り鳥の渡来越冬パターン変化が鳥インフルエンザ発生に及ぼす影響
Zoonosis diseases and climate change: How will climate changes alter the patterns of bird migration and the occurrences of high pathogenic avian flu?

*池上真木彦, 大沼学, 五箇公一(国立環境研究所)
*Makihiko IKEGAMI, Manabu ONUMA, Koichi GOKA(Nt. Ins. Environmental Studies)

野生動物由来の感染症発生パターンは、媒介する生物や宿主の分布と行動に影響を受けることが知られている。国立環境研では、これまで国内の渡り鳥カウントデータと種分布モデルを用いて鳥インフルエンザの発生地域予測(リスクマップ)を行い、野鳥における鳥インフルエンザ発生リスクは渡り鳥の密度と相関がある事を見出している(Moriguchi et al. 2013)。一方、渡り鳥の渡来分布パターンは気候や土地利用変化によって変動すると考えられ、将来的な環境変化に伴う鳥インフルエンザの発生リスクの変化を予測することは重要と考えられる。さらに限られた地点での渡り鳥飛来調査データをもとに、如何に広範にリスク予測を拡張するかという点も課題となる。そこで本発表では、渡り鳥分布データと種分布モデルを用いて渡り鳥の越冬場所と越冬時期推定を通じた、温暖化進行シナリオ下での野鳥における鳥インフルエンザ発生地域予測の可能性と限界を議論したい


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