| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨
ESJ68 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-11  (Poster presentation)

埼玉県におけるアライグマの生息状況とその特徴
Habitat and its characteristics of Raccoon in Saitama Prefecture

*Kouki KISHIMOTO(Saitama Warabi H.S.), Moeka TASHIRO(Saitama Kawagoe girls' H.S.), Yukino HOSHI(Saitama Kawagoe girls' H.S.), Ibuki KANEKO(Saitama Kawagoe girls' H.S.), Hikaru SHINOZAKI(Saitama Kawagoe girls' H.S.), Yui HATANAKA(Saitama Kawagoe girls' H.S.), Kasumi TAKEYAMA(Saitama Kawagoe girls' H.S.), Yasuno SUZUKI(Saitama Kawagoe girls' H.S.), Sachiko NISHIMURA(Saitama Kawagoe girls' H.S.), Kantaro SAITO(Saitama Koshigaya H.S.), Gakuto IWASAKI(Saitama Koshigaya H.S.), Riku SEKISIMA(Saitama Koshigaya H.S.), Hadi SAFARI(Saitama Koshigaya H.S.), Ryuya HAYASE(Saitama Warabi H.S.), Kazuki MINEGISHI(Saitama Warabi H.S.), Kihana MATSUDA(Saitama Warabi H.S.), Shuto HIRANUMA(Saitama Warabi H.S.), Koutarou TAKAMI(Saitama Warabi H.S.), Yuto YOSHINO(Saitama Warabi H.S.), Mai KAWANO(Saitama Warabi H.S.), Tasuku YONEKAWA(Saitama Sakado Nishi H.S.)

「チームアライグマ」は2014年に発足し、埼玉県を中心に外来生物の調査、研究および外来生物問題の啓発活動を行っている。定期的に野外調査や勉強会を実施し、シンポジウムの開催やTwitterでの発信等の活動を通して、外来生物問題への理解を深めながら、啓発活動も実施している。
 アライグマProcyon lotorとは、北米原産の中型哺乳類である。1960年代以降、家庭や動物園での飼育を目的として日本に持ち込まれたが、凶暴な性格ゆえに捨てられたり、脱走したりしたものが野生化、定着した。その後、その高い繁殖力で数を増やし続けている。アライグマによる農作物の食害や希少種の捕食、病原体の媒介等の被害は大きく、2005年に特定外来生物に指定された。また、アライグマの特徴としてタヌキと異なり尾に縞模様があることや、ハクビシンと異なり爪跡が5本あることが挙げられる。近年埼玉県内でも捕獲数が増加傾向にあり、東京都心部においてもアライグマが確認されるなど、その分布域を広げている。
 そこで本研究では2018年4月から2021年1月にかけて、チームアライグマの参加生徒で協力をし、埼玉県内200地点以上の寺社・公園等でアライグマの爪痕の有無を調査した。この際、必要に応じて周辺住民への被害状況の聞き取り調査を行なった。また、アライグマの生息しやすい環境を明らかにするため、爪痕調査の結果をもとに、調査地点の周辺環境の情報を踏まえてアライグマの生息しやすい環境の傾向を分析した。調査地点の周辺環境は、その調査地点周辺に河川、畑、果樹園、墓地等が存在するかどうかを指標として用いた。また、それらの指標のうちどの指標がよりアライグマを誘引するかを明らかにするため、多変量解析の数量化Ⅱ類を用いて分析を行った。なお、本研究は中谷医工計測技術振興財団の助成を受けて実施した。


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