| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第68回全国大会 (2021年3月、岡山) 講演要旨 ESJ68 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-19 (Poster presentation)
噴火によって溶岩が流れ出た後の場所では、裸地から出発する植生の変化(一次遷移)が生じる。調査地の伊豆大島は火山島であり、島の中央に位置する三原山周辺では、度重なる噴火によって生じた、遷移の様々な段階がみられる。
本校では過去に、伊豆大島における遷移とアリの関係について調査が行われた。その資料によると、2016年初夏に行われた調査では、それまでアリの姿が確認できなかったスコリア地帯において、クロヤマアリの生息が確認された。
スコリア地帯は強い風が吹き付ける等の要因により、多くの生物にとって生息に適した環境とは言い難く、先駆植物であるハチジョウイタドリのパッチが所々に形成されているのみである。そのような環境下において、アリはどこに営巣し、何を食糧としてその土地に生息しているのか。また、イタドリのパッチがアリの生息に何らかの影響をもたらしているのか、という点に疑問を抱き、調査を始めた。
調査では、生息域の確認やマーキングによる個体の追跡、アリが運ぶ餌の採取及び同定などを行った。