| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨 ESJ69 Abstract |
一般講演(口頭発表) F03-08 (Oral presentation)
佐渡に再導入されたトキは2012 年に繁殖が確認されて以降、2017 年までは繁殖成功率が増加し、個体数を順調に増加させてきていた。しかし、この2018年以降、繁殖成績が低下し始め、密度効果が生じている。トキの営巣形態は、単独、もしくは、ルースコロニーでの営巣であり、近年、コロニー営巣するつがいの割合が増加し、60%以上のつがいがルースコロニーで営巣している。単独で営巣した場合でも、数年で参加ペアが増加し、コロニーサイズが大きくなっていくが、8つがい以上が繁殖しているコロニーでは巣立ち成功が全く観察されていない。高密度コロニーでは個体間干渉が大きくなり、繁殖が失敗していると考えられた。今回は、密度効果を引き起こしている要因について解析した。また、コロニー崩壊後に低密度となっても繁殖成績が回復しない原因についても考察してみる。