| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


一般講演(口頭発表) H03-03  (Oral presentation)

化学合成微生物群集と酸化還元ネットワークの共発展
Co-development of chemotrophic microbial community and redox network

*瀬戸繭美(奈良女子大学), 近藤倫生(東北大学)
*Mayumi SETO(Nara Women's Univ.), Michio KONDOH(Tohoku Univ.)

化学合成微生物とは、化学反応を触媒することで系の自由エネルギーをATP合成に利用する微生物の総称であり、好気呼吸菌・脱窒菌・硝化菌・メタン酸化/生成菌などが含まれる。彼らのほとんどは酸化還元反応と呼ばれる電子移動を伴う反応をエネルギー源に利用し、これらの反応群は地球上の物質循環ネットワークを駆動する上で重要な役割を担う。本研究では酸化還元反応群と化学合成微生物の相互作用から成るeco-geochemicalネットワークモデルを構築し、化学系と生物系の共発展によってどのような群集構造と反応構造が形作られるかをシミュレーションベースで調べた。その結果、化学合成微生物同士があたかも分業するような形で反応ネットワークを維持することにより、化学合成微生物生態系全体のエネルギー利用効率と生産性が上昇する可能性が示された。


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