| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨 ESJ69 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-193 (Poster presentation)
植生への地質学的な影響については石灰岩や蛇紋岩のような特殊な例を中心に研究されているが、地質の違いによる土壌養分の差がどのような影響を及ぼすのかは系統立てて調べられていない。土壌養分の差によって植物に多様性が生まれるならば、その差に応じて群集組成が変化し、植生が変化すると考えられる。そこで本研究では、同じ緯度帯でコナラが優占する落葉広葉樹林に着目して、地質の違いに起因する土壌養分の違いが植生の群集組成や構造に及ぼす影響を調べた。
調査地は日本国内の母岩の異なる土壌のコナラの優占する落葉広葉樹林8か所(筑波、唐沢山、多摩丘陵、龍谷の森、山城、大文字山、六甲山、大山)を選んだ。8サイト計79プロットにてbraun-blanquetによる全推定法を用いた植生調査を行った。同時にコナラの樹高及び胸高周囲長を測定した。また調査地の土壌条件について検討するため、各サイトから土壌を0-5、5-15cmの2層採集し、土壌理化学性の分析を行った。
植生調査により得られた種組成データをもとにクラスター分析と指標種分析を行い、種組成の変化と土壌条件の間に関係性が認められるかどうか検討した。