| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-253  (Poster presentation)

葉と根の経済スペクトルの評価とそのための植物育成方法
Assessment of leaf and root economic spectrum and method of plant cultivation for this

*大川暉, 彦坂幸毅(東北大学)
*Hikaru OHKAWA, Kouki HIKOSAKA(Tohoku University)

植物の機能特性は多様に分化しているが、機能特性どうしは互いに相関していることが知られている。例えば、光合成速度が高い葉は、窒素濃度が高く、寿命が短くなっている。根について同様のことが示唆されているが、根の生理特性まで含めた機能特性どうしの相関については明らかになっていない。根の生理特性は、根に供給される栄養塩濃度によって激しく変動するため、植物間で比較するためには栄養塩濃度を適切に管理できる方法が必要であり、それを検討した。

本研究では、水耕栽培によって植物を生育させ、根に供給される硝酸濃度を管理する方法を検討した。また、生育した草本植物および木本植物を用いて、最大光合成速度、葉面積/葉重、葉窒素濃度、根長、根窒素濃度などの葉と根の機能形質を測定した。

その結果、水耕液中の硝酸濃度は、植物の硝酸吸収速度を推定し、それを補うように硝酸濃度を調整した水耕液を与え続けることで比較的安定することが分かった。そして、葉と根の機能形質どうしは互いに相関することも分かった。

本研究により、水耕液中の硝酸濃度は管理できることが明らかとなった。今後は硝酸濃度を管理し、生理特性を含めた葉と根の機能形質どうしの相関を解析する必要がある。


日本生態学会