| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-387  (Poster presentation)

遺伝アルゴリズムを用いたオスガエルの発声行動戦略のモデル選択
A phase oscillator model of calling strategy in male frogs selected by genetic algorithm

*渡邉直太(京都大学), 青柳富誌生(京都大学), 合原一究(筑波大学)
*Naota WATANABE(Kyoto University), Toshio AOYAGI(Kyoto University), Ikkyu AIHARA(University of Tsukuba)

オスのカエルは繁殖期になるとメスへのアピールのために発声を行う.単体のカエルは周期的に発声するが、集団内では周辺の個体に合わせて自身の発声を制御し同期することで合唱を形成する. メスへの効果的なアピールをするには先行したタイミングで発声することが重要であり、その為の発声制御の結果として同期が生じていることが予想される.そこで,発声行動を位相振動子モデルを用いて記述し解析を行う研究が試みられている.
本研究では,生物の進化過程を模倣した最適化アルゴリズムである遺伝アルゴリズムをカエルの生態を参考に構築することで生存に有利な制御戦略(位相振動子モデル)の選択を行った.
進化と淘汰の結果として,他個体に対して先行しようとする妥当な制御方針に対応した複数の相互作用関数が得られた.また,それらの制御方針によって実際に自然界で観測されている逆相同期や三相同期に類似した同期が確認され,種々の同期による現実の合唱と対応している可能性がある.


日本生態学会