| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-414  (Poster presentation)

茨城県神栖市の沿岸域を利用する鳥類の分布状況
Distribution of birds using the coastal areas of Kamisu City, Ibaraki Prefecture, Japan.

*小林楓, 北村亘(東京都市大学)
*Kaede KOBAYASHI, Wataru KITAMURA(Tokyo City Univ)

主に沿岸域を利用するシギ・チドリ類は、生息地の減少により世界的にその数が減少しており、日本に訪れるシギ・チドリ類も減少傾向にある。一方で、国内における沿岸域に生息するシギ・チドリ類および他の鳥類の環境の変化による出現状況がどのように変化するのかについて記述した事例は少ない。本研究では、沿岸域における環境により、シギ・チドリ類やその他鳥類の生息状況がどのように変化するのか明らかにすることを目的とした。このために鳥類の繁殖期である4月から6月においての茨城県神栖市の約16kmの海岸に生息するシギ・チドリ類やその他鳥類の種類や個体数、位置情報、行動等を記録した。加えて、平均風速や気温、潮位等の環境データも記録した。環境が鳥類の個体数にどのように影響を及ぼしているのかを把握するために一般化線形モデルを用いて分析を行った。科ごとに解析を行った結果、シギ科は潮位と表面海水温に負の相関が見られた。また、カモメ科は潮位で負の相関、気温で正の相関が見られた。シギ科の多くは干潮時に底生生物を採餌するため潮位が低いときに多く観られたことが考えられた。


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