| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-429  (Poster presentation)

兵庫県コウノトリ再導入地におけるヘビ類の生息状況
Snake habitat and distribution in the reintroduction site of Oriental Stork, Hyogo Prefecture

松本聖斗(兵庫県立大学大学院), *末本貴大(兵庫県立大学大学院), 藤田大空(兵庫県立大学大学院), 佐川志朗(兵庫県立大学大学院, コウノトリの郷公園)
Takahiro MATSUMOTO(University of Hyogo, PRM), *Takahiro SUEMOTO(University of Hyogo, PRM), Ozora FUZITA(University of Hyogo, PRM), Shiro SAGAWA(University of Hyogo, PRM, Hyogo Park of the OWS)

兵庫県北部豊岡市のコウノトリ再導入地におけるヘビ類の生息状況について、春~秋季にかけて調査を行い、要因解析を実施した。調査エリアは、コウノトリの2つがいが営巣している円山川水系鎌谷川流域とし、その周囲を取り囲むように存在する8つの谷戸を調査地とした。コウノトリの2つがいは、2013年および2016年からそれぞれが継続して営巣しており、ほぼ毎年雛を巣立たせている。また、ヘビ類は本種の餌動物の一つでもあり、捕食が度々現認されており、ヘビ類が減ったという地元からの声が聞かれていた。
調査地において、2020年6月3日から10月28日の期間に朝、昼、夜まんべんなく計66回のラインセンサスを行い、左右3m幅に出現したヘビ類およびカエル類を種ごとに記録した。ラインから幅20mエリアの景観要因の定量化を行った。また、コウノトリの捕食影響度を数値化した。各つがいの雌雄に装着されている衛星発信機データおよび現地調査データを用いカーネル密度推定を行い、95%行動圏および50%コアエリアを求めた。8つの調査地に対するそれぞれのエリアのオーバーレイ程度から、捕食影響度を1-7で評価した。
調査の結果、アオダイショウ、シマヘビ、ニホンマムシ、ヤマカガシ、ジムグリおよびシロマダラの計6種79個体(回)のヘビ類が確認された。毒蛇以外のヘビ類については、鱗の除去により個体識別を行ったが、再捕獲は一度もなされなかった。
目的変数を各種ヘビ類の累積出現回数、説明変数を①樹林、②雑草地、③耕作地、④裸地、⑤河川、⑥水路、⑦ビオトープ、⑧水田、⑨カエル類の出現回数、⑩コウノトリの影響として一般化線形モデルを構築した結果、②、③、④および⑩とは負の、⑤および⑨とは正の説明力が高いモデルが得られた。発表ではこれらの結果をお示しするとともに、コウノトリを頂点とする健全な生態系の在り方について私見を述べたい。


日本生態学会