| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-153  (Poster presentation)

「葉1枚の面積は長さと幅に比例する」を枝レベルへ拡張する
Allometric relation between shoot size and shoot leaf area

*小山耕平(帯広畜産大学), Duncan D. SMITH(Univ. of Wisconsin—Madison)
*Kohei KOYAMA(Obihiro Univ. Agr. Vet. Med.), Duncan D. SMITH(Univ. of Wisconsin—Madison)

<目的> これまでのアロメトリー理論は、個体全体の体重や呼吸速度を求めたりすることはできるが、個葉レベルの生理生態学(例えば、群落光合成モデルなど)との接点はなかった。その理由は、現在のアロメトリーは個葉など器官レベルの種内変異(例:陽葉や陰葉、面積の大きな葉や小さな葉)を取り扱うことが出来ないからである。植物1個体はシュートの集合であり、1本のシュートには様々な大きさの葉がついている。このような個葉の差異をアロトリーの理論に組み込めないか。我々は、シュートサイズの変異と個葉面積のシュート内の変異の2つのスケールを統一的に扱う数理モデルを提案した。
<方法> 我々は、植物において非常に広範囲におよぶ分類群の種で成立が確認されている経験式、「長さ×幅の式:葉1枚の面積=葉身長×葉身幅」をシュートレベルに拡張する新しい数理モデル「シュート葉群レベルの長さ×幅の式」を提案した。種子植物の中からモクレン類, 単子葉類, 真正双子葉類など幅広い分類群から5種(木本3種+草本2種)を選び、モデルを検証した。さらに、このモデルからこれまで経験的に知られていたが説明理論のなかったシュートに関する複数の経験式(例えば、シュート合計葉面積とシュート合計葉数のアロメトリー関係式など)が理論的に導かれた。
<結果> 少なくとも対象5種に置いては、「シュート葉群レベルの長さ×幅の式」の説明能力は非常に高く(R2 > 0.994)、それ以外の予測についても、実用に耐え得る精度(R2 > 0.85)を示した。
<結論> 新しいモデルは、これまでのアロメトリー式と個葉の種内可塑性の両者の理論的接点として位置づけられる。今後、より広範囲な種による検証が必要である。


日本生態学会