| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨 ESJ69 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-356 (Poster presentation)
長野市豊野町の溜池で平成26年(2014年)に外来アゾラ(水生シダ)が発生し、特定外来生物のアゾラ・クリスタータ(Azolla cristata、別名アメリカオオアカウキクサ)と同定され、長野市が中心となって駆除に取り組んだ。令和元年(2019年)、令和3年(2021年)には豊野町の別の場所(水田、溜池及び水路)で再び外来アゾラが発生したが、この際は雑種のアイオオアカウキクサ(Azolla cristata×filiculoides)と判明した。この雑種を含む外来アゾラ類(Azolla spp.)も、国の生態系被害防止外来種リストでは緊急対策外来種に指定されている。
静岡県では、アイオオアカウキクサの侵入により在来の絶滅危惧種アカウキクサ(Azolla imbricata)が衰退した事例が報告されている。長野県でも、佐久市には絶滅危惧種(長野県レッドデータリストで絶滅危惧IB類)のオオアカウキクサ(Azolla japonica)が分布している。本発表では、これら希少種の保全と外来種の対策に資するため、外来アゾラの発生・同定・駆除作業の経緯をまとめ報告する。