| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨 ESJ69 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-20 (Poster presentation)
私たちは、2020年1月より、遠州自然研究会が管理している浜松市浜北区宮口育種場内の湿地の調査・保全活動をはじめた。最初は、湿地に侵入してきた草を刈る仕事から始めた。月1回の調査を続け、湿地の植物について調べた。そして、2020年3月には、浜北宮口育種場湿地より、500mぐらい離れたところにある電車南湿地(以前、遠州自然研究会が管理していたが、人手不足で放棄されていた。)の復元にも取り組んだ。2021年4月には、湿地の保全のために、遠州自然研究会の会員とともに湿地の植物の保全のために木道を設置した。浜北宮口育種場湿地には、トウカイコモウセンゴケ、モウセンゴケ、ホザキノミミカキグサ、ミミカキグサ、東海地方に固有に生息するシラタマホシクサなどの植物が生息している。2年目の2022年にあたり、どんな仕組みで湿地ができているのか、また湿地の環境がどのようなかたちで湿地に生きる生物に影響を与えているかについて調べることにした。
湿地の岩石・砂の調査、湿地を流れる水の性質などについて、今までに分かったことについて考察する。浜北宮口育種場湿地も電車南湿地も浜松市の東側を流れる天竜川の氾濫によって、地層が積み重なってできたことが分かった。また、湿地のある場所が三方原台地の斜面にできていて、水を通さない不透水層によって、湿地が維持されているようだ。現時点で不明な点については、今後の調査や実験で調べていきたい。