| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-25  (Poster presentation)

鳥の翼の周囲に発生する気流についての考察
Consideration of the airflow around the bird's wings

*後藤孝輔, 田中柊哉, 小森皓介, 中村俊惺, 岩田拓朗(大垣北高等学校)
*Kosuke GOTO, Toya TANAKA, Kosuke KOMORI, Syunsei NAKAMURA, Takuro IWATA(Ogaki-Kita Senior High School)

1.はじめに
自然科学部の活動する生物実験室に保管されている多種の翼標本を用いて風洞実験を行うために、風洞実験装置(以下風洞装置)を作成した。風洞実験によって鳥の種類、風を当てる際の翼の角度、小翼羽の開閉の違いにより、発生する気流にどのような違いが見られるのかを調べることを目的とした。
2.風洞装置の作成
 風洞装置に求められる条件は、まず安価に作成できること、細い筋状の煙ができるだけ長くはっきりと見られることである。試行錯誤を重ねた結果、何度も作りかえ、伍号機で実験に使用できるものが完成した。
3.翼の角度による気流の変化
風洞装置を使用し、ヒヨドリの翼に前面から筋状の煙を当てた。翼の角度の違いによって発生する気流にどのような違いが生じるかを調べた。翼は水平、前面上、前面下になるように角度をつけた。発生する気流は480fpsの動画と1/4000の静止画を撮影し解析した。
4.種の違いによる気流の変化
 先ほどの実験と同様に風洞装置を使って、種の違いによる気流の発生の違いについて調べた。翼はヒヨドリとドバトのものを使用し考察した。
5.小翼羽の展開の有無による気流の変化
 翼の小翼羽の開閉の有無による気流の発生の違いについて調べた。小翼羽はヒトの親指に当たる第一指骨についている小さな羽根で、これを開閉することで乱気流を抑える効果があることが知られている。小翼羽を開いたヒヨドリの翼標本を作製し先の実験で得たデータと比較し考察した。
6.翼に生じる揚力
 各翼標本をクリップで固定し、それを電子天秤に乗せ、前面から風を当てた際の変化量からその揚力について考察した。サーキュレータを用いて翼にあてる風の強さを変化させ、その値がどのように変化するかを調べた。ヒヨドリとドバトについて調べた。


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