| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-36  (Poster presentation)

センサーカメラによるアライグマの行動調査 〜4年に渡る里山と市街地の調査より〜
Raccoon behavior survey done with sensor cameras ~From a four-year survey of satoyama and other urban areas~

*諏訪大樹, 泉山雅幸, 鈴木歩夢(坂戸西高等学校)
*Taiju SUWA, Masayuki IZUMIYAMA, Ayumu SUZUKI(Sakadonishi  high school)

 坂戸市は、埼玉県のほぼ中央に位置する市であり、その大部分が平坦な土地となっているが、西は毛呂山丘陵などの丘陵地帯に面しており、里山が身近にある環境である。
 本校生物部では2015年より、坂戸市に接する毛呂山町にある旧毛呂山高校(廃校)において、センサーカメラを利用したアライグマの生息調査を行ってきた。アライグマは特定外来生物に指定されており、近年メディアでも多く取り上げられるほど各地で生息の広がりが問題になっている。しかし、2017年頃より廃校においては、アライグマがほとんど撮影されなくなってしまったため、周辺に生息するアライグマが捕獲され姿を消してしまったのではないかと推測された。そのため、2018年より坂戸市西部の城山の森において、センサーカメラを仕掛けアライグマが訪問しているかを調査したところ、アライグマが複数回にわたって訪問している姿が確認された。このことから、アライグマは捕獲圧の高い市街地から離れ、捕獲圧の小さい里山により多くの個体が生息していると考えられた。
 しかし、2019年より再び廃校においてもアライグマの訪問が再確認されたため、坂戸市内における里山と市街地におけるアライグマの出現とその行動の様子を比較することとした。里山においては、食料も豊富で多くの個体が生息している姿が確認された。一方、市街地にある廃校では、複数頭で行動する様子が確認され、新しい生息地を探している様子が見られたものの、生息地としての利用は確認できなかった。


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