| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨 ESJ69 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-39 (Poster presentation)
アレロパシーとは植物が自己の生存を有利に展開するために、化学物質を使ってほかの植物の生育を抑制または促進する現象である。先行研究においてアレロパシー活性の有無について調べた例は多数あるが、アレロパシー物質が植物の生育にどのように関わっているかは不明である。本研究では身近に生育する多様な植物種のアレロパシー物質が及ぼす生育への影響を調べることを最終的な目的とした。
実験では、サンドイッチ法という手法を用いた。サンドイッチ法とは、アレロパシー活性の検証に広く用いられている方法であり、供試植物の乾燥葉から溶け出した化学物質が検定植物に与える影響を芽生えの長さで評価できる方法である。サンドイッチ法での検定の結果、ほとんどの検定植物の伸長と重量増加が抑制されていることがわかった。また、ほとんどの植物のアレロパシー物質は検定植物の吸水には影響していない可能性が示唆された。一方、セイタカアワダチソウやアスパラガスなどの一部の種のアレロパシー物質は、検定植物の吸水に影響している可能性が示唆された。