| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨
ESJ69 Abstract


シンポジウム S04-1  (Presentation in Symposium)

国際機関とワンヘルスの現状と展望
Current Status, and Prospects of International Organisations and One Health

*釘田博文(国際獣疫事務局)
*Hirofumi KUGITA(OIE)

 OIEは、世界の動物衛生及び福祉の向上を図ることを使命とする国際機関であり、1924年にフランス・パリに事務局本部を置いて設立された。現在、182の加盟国を擁し、世界に13の地域・準地域事務所を置いている。
 OIEの主な活動は、①世界の動物疾病及び人獣共通感染症の発生状況に関する情報の収集・提供、②安全な動物・畜産物の輸出入を行うための国際基準の作成、③獣医学に関する最新の知識の収集・普及、④動物疾病の制圧と根絶に向けたメンバー国の取組支援、⑤動物由来食品の安全性確保、科学に基づくアニマルウェルフェアの向上等である。
 OIEは、長年、人獣共通感染症対策を中心としてFAO(国連食糧農業機関), WHO(世界保健機関)と協力関係にあるが、2010年には3国際機関間でOne Healthに基づく協力の取り決めが結ばれ、インフルエンザ、狂犬病及び薬剤耐性の3つを優先分野として取り組んできた。その後、協力の分野は、食品安全、人材育成等にも拡大され、さらに今回のCOVID-19の問題も受けて、野生動物に関する活動が大きな重点分野となってきている。また、環境分野との連携を一層強化する必要から、現在、UNEP(国連環境計画)を含めたTripartite plusの活動を模索している。


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