| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第69回全国大会 (2022年3月、福岡) 講演要旨 ESJ69 Abstract |
シンポジウム S08-6 (Presentation in Symposium)
2021年から「国連海洋科学の10年(United Nations Decade of Ocean Science; UNDOS)」がスタートし、海の豊かさを未来へ引き継ぐための活動が期待される。UNDOSに対応して、私たちの研究チームは、海洋生物ビッグデータと統計モデルや機械学習を活用したOcean180プロジェクトをスタートした。Ocean180は「劣化する海の状況を反転し改善させる」という願いをこめた名称で、科学的エビデンスに基づいた実効性のある海の保全利用アクションを推進する。海洋生態系の保全や適切な利用を推進するためには、海の実態(豊かさや劣化する様子)を一般の人々が把握できるように、可視化することが基本になる。このような動機のもと、私たちの研究チームでは、海洋の生物分布を定量し、生物多様性パターンを地図化しつつある。本講演では、既存データ整備とデータギャップ充足のための野外調査を組み合わせて、海洋生物多様性を明らかにした沖縄における研究事例を紹介する。さらに、沿岸海域の生態系タイプに関するグランドトルースデータと人工衛星データを組み合わせた、生物多様性地図の高解像度化についても紹介する。そして、海洋生物多様性の可視化情報を基にした、海洋空間の保全利用計画について議論する。