生態系管理専門委員会は2002年の自然再生推進法制定を踏まえ、自然の恵みを持続的に享受するための生態系管理のあり方について幅広く議論し、知識を共有し、社会に働きかける活動を行うために設置された専門委員会です。これまで、講演会や演習による知見の普及・共有、総説・意見書を通じた見解の表明などの活動を展開してきました。また2020年には、グリーンインフラ、Eco-DRR（生態系を活かした防災減災）、NbS（自然を基盤とした解決策）など、生態系の機能や資源を活用した社会のあり方についての議論の活発化を踏まえ、メンバーを公募などによって強化し、新たなスタートを切りました。今年度は、生態系管理のキャパシティビルディングのためのオンラインワークショップの開催や、生態学の知見を踏まえたNbSの実現に向けたオピニオンペーパーの共同執筆などの活動を進めてきました。
今回のフォーラムは、生態系管理専門員会の活動を会員の皆様に知っていただくとともに、今後の活動についてのご意見をお聞きするために開催します。近年、企業や投資家の活動においても生物多様性や生態系についての考慮の議論が進むなど、生態系管理のあり方の議論の重要性はますます高まっています。この時代に生態学会・生態学者からどのような情報を発信し、また他の主体とどのような連携を築くべきでしょうか。ぜひ様々な角度からご意見をいただき、議論を深められればと思います。