| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨
ESJ70 Abstract


一般講演(口頭発表) E01-04  (Oral presentation)

菜の花でウメへのミツバチ訪花を強化する
Additional floral resources promote managed honey bee visitation to winter flowering fruit crop, Japanese apricot, in cold weather condition.

*前田太郎(農研機構), 平岩将良(農研機構, 近畿大学), 江畑真美(うめ研究所), 下村友季子(うめ研究所), 大江孝明(うめ研究所)
*Taro MAEDA(NARO), Masayoshi K HIRAIWA(NARO, Kinki University), Mami EBATA(Japanese Apricot Laboratory), Yukiko SHIMOMURA(Japanese Apricot Laboratory), Takaaki OE(Japanese Apricot Laboratory)

農作物の近くに花を植えることで、農作物への送粉昆虫の訪花を強化する試みが多くの作物で行われている。ウメは昆虫による他家受粉を必要とするが、昆虫が少ない冬期に開花するため、低温による訪花昆虫不足で着果率の低下がしばしば起こり、不作の原因となっている。本研究では、冬期に開花する菜の花(アブラナ科植物)をウメの周辺に植栽し、セイヨウミツバチのウメへの訪花頻度への影響を調査した。その結果、15℃以下の低温時に、セイヨウミツバチの訪花頻度が増加することが明らかになった。アブラナ科植物はウメ園周辺で野生化している場所もあり栽培の手間がかからず、セイヨウミツバチの冬期の重要な餌源となることから、アブラナ科植物を用いた受粉強化に有効であると考えらえる。


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