| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨
ESJ70 Abstract


一般講演(口頭発表) F01-03  (Oral presentation)

葉輪郭再構築への2次元-3次元協調的アプローチ【B】
A 2D-3D collaborative approach for leaf outline reconstruction【B】

村田英和, *野下浩司(九州大学)
Hidekazu MURATA, *Koji NOSHITA(Kyushu Univ.)

葉は,光合成や蒸散,呼吸などの基本的な生理機能にとって重要な器官の一つである.特に,葉の形態学的特性は,受光態勢や熱伝導,透水係数,機械的制約に関係するため,植物の発生や生理はもちろん農作物の生産性の向上にも関わる重要な形質といえる.
従来は,葉の複雑な3次元(3D)形状は,技術的な制限により2次元(2D)的に評価されてきた.しかし,葉は本質的には3次元形状として幅広いパターンを示し,その機能は3次元空間での配置に大きく依存する.
近年,LiDAR (Light Detection And Ranging)センサーや深度カメラ,写真測量技術の一般化により高解像度の3D形態学的データを得ることは難しくない.
しかし,幅広く使用されている,さまざまな角度から撮影した一連の2D画像から点群データとして3D表面を再構築する Structure from Motion (SfM) と Multi-View Stereo (MVS) を利用するパイプラインなどの点ベースの3D再構成方法によって生成された点群データは,葉の縁が不明確であったり,点群データの穴が実際のものであるかどうか不確実であったりする.
そのため,葉の縁を直接推定できるフェノタイピング手法を確立することが望ましい.
本研究では,2D輪郭検出のための深層学習ベースのインスタンスセグメンテーション,カメラの位置・向きと疎な点群を推定するためのSfM,多視点画像間で葉を一致させるための葉対応関係の識別により,多視点画像から葉の3D輪郭を再構築する方法を提案した.
提案手法をシミュレーションデータと実データの両方で検証し,多視点画像から3次元輪郭を再構築できること,穴についても適用可能であることを確認した.また,その際の適切な撮影条件,ハイパーパラメータの設定についての指針を主にシミュレーションに基づき提示した.


日本生態学会