| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨 ESJ70 Abstract |
一般講演(口頭発表) G02-12 (Oral presentation)
ニホンイシガメは河川や湖沼周辺に生息する日本固有種である。近年、河川の護岸整備やため池の埋め立て等の影響により生息地が減少しており、環境省及び石川県のレッドデータブックに掲載されている。ニホンイシガメの行動圏の大きさとその季節変化を明らかにすることは、本種の保全に必要なエリアを特定する上で重要である。そこで本研究は、河川に生息するニホンイシガメの行動特性を把握することを目的とした。
石川県を流れる手取川水系手取川で調査を行った。調査地で捕獲したニホンイシガメの雌成体にGPS発信機を装着し、2022年7月12日から2023年8月3日までの約1年間、4時間に1回の頻度で個体の位置座標を取得した。取得した全537点の位置座標から、最外殻法による行動圏解析を行った。
ニホンイシガメの行動圏の面積は5.9ha、行動圏の最大距離は440mであり、年間を通して河川空間内を利用していた。行動範囲は季節変動が認められ、繁殖期と冬眠前後の行動範囲は異なっていた。