| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨 ESJ70 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-383 (Poster presentation)
近年、文化的生態系サービスの代表的な提供の場である国立公園の需要を把握し、満足度を高めることが求められている。国立公園でのツーリズムは日本の主要な観光産業の一つとされており、質の向上を目指した政策が行われている。国立公園内のツーリズムの質を向上し満足度を高めるためには、利用者の需要の把握、そして満足度を高める要因を明らかにする必要がある。先行研究では、人々の自然公園制度に対する認識の調査や、各国立公園で利用状況に関する独自の調査が行われている。しかし、具体的な観光スポットについて、訪問目的や満足度といった詳細な情報を得ているものは少ない。各観光スポットについて利用者の詳細なデータを収集し、公園や観光スポットの特徴を考慮した分析をすることで、国立公園の需要とそれを満たす要因について把握することができる。これは、より質の高いツーリズムを実現するための意思決定の際の判断材料の1つとなると考える。本研究では、日本の主要な国立公園についてアンケート調査を行い、利用者の需要はどのようなものか把握すること、さらにその結果と満足度のデータを合わせ、需要を満たすにはどのような要因が影響しているのかを明らかにすることを目的とした。
利用者調査として、富士箱根伊豆国立公園・瀬戸内海国立公園・上信越高原国立公園の3つの国立公園の利用者に対し、訪問目的と満足度を尋ねたオンラインアンケートを行った。本発表では、訪問目的や性質を元に観光スポットのカテゴリー分けを行った結果を示す。さらにそのカテゴリーを踏まえた上で、利用者の属性や周辺の保護区のレベル・料金といった要因が、満足度に影響を与えるのかを検証した結果を紹介する。