| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨 ESJ70 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-030 (Poster presentation)
日本全国の河川では、水生生物の保全も目的の一つとして、水質のモニタリングが行われている。しかしながら、そのような水質測定地点において、水生生物の生息状況を網羅的に把握・推定した研究はこれまでにない。本研究では、全国の約3000箇所の水質測定地点(環境基準点)を対象に、底生動物の平均スコアを推定することを目的とした。底生動物の平均スコアは、カゲロウ類などの科レベルの出現状況に基づき計算され、水質等の総合的な河川環境の良好性を相対的に表す指標である(環境省 2007)。当該スコアは1–10の値をとり、例えば、7.5以上で「とても良好」などの判断基準が提示されている。
本研究では、まず、水質測定地点239箇所を対象として,河川水辺の国勢調査の底生動物調査結果と水質測定結果を統合し、底生動物の平均スコアを物理化学的特徴(生物化学的酸素要求量(BOD)といった水質項目、集水域の土地利用割合など)から予測するランダムフォレストモデルを構築した。さらに、構築したランダムフォレストモデルを用いて、全国の水質測定地点の平均スコアを推定し、別途収集・調査した約100箇所の水質測定地点での底生動物調査結果を用いて、推定結果の検証を行った。