| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨
ESJ70 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-060  (Poster presentation)

あぎじゃびよー!強制交尾によるメスのコスト【B】【E】
Oh, jeez! Costs to females from forced copulation【B】【E】

*日室千尋(沖縄病害虫防セ, 琉球産経(株), 琉球大学農学部), 本間淳(沖縄病害虫防セ, 琉球産経(株), 琉球大学農学部), 池川雄亮(沖縄病害虫防セ, 琉球産経(株), 琉球大学農学部), 熊野了州(帯広畜産大学)
*Chihiro HIMURO(Okinawa Pref. Plant Prot. C., Ryukyu Sankei Co.,Ltd., Univ. of the Ryukyus), Atsushi HONMA(Okinawa Pref. Plant Prot. C., Ryukyu Sankei Co.,Ltd., Univ. of the Ryukyus), Yusuke IKEGAWA(Okinawa Pref. Plant Prot. C., Ryukyu Sankei Co.,Ltd., Univ. of the Ryukyus), Norikuni KUMANO(Obihiro Univ. of AVM)

有性生殖する種において雌雄は交尾頻度、交尾時間、子育てなど、繁殖に関する様々な事象を巡って対立していることが知られており、その最たる事象の1つが”オスによる強制交尾”である。強制交尾に対し、メスはオスを振り払う、または交尾器を体内に格納するなど様々な方法を用いて対抗適応していることが知られている。このような対抗適応を促した要因として、強制交尾によりメスは多大なコストを被るためであると考えられるが、そのコストを検出できた研究例は少ない。イモゾウムシEuscepes postfasciatusのメスは、腹部末端の腹板を閉じることで交尾器が外部に露出せず、オスによる強制交尾が不可能となる。そこで、腹板末端の腹板を物理的に削り、強制交尾可能なメスを作り出し、強制交尾によるコストの検出を試みた。その結果、強制交尾区のメスは、コントロールに比べて寿命や生涯産卵数が有意に低下した。以上から、交尾器を体内に隠す頑強な腹板には、メスが強制交尾によるコストを避ける重要な機能があると考えられた。本講演では、メスの寿命低下を導いた原因についても追求する。


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