| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨
ESJ70 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-065  (Poster presentation)

湿地性クモはいかにして水面に網を張るか?
How do semi-aquatic spiders attach their webs on water surface?

*鈴木佑弥, 立田晴記(九州大学大学院)
*Yuya SUZUKI, Haruki TATSUTA(Kyushu Univ.)

川岸や湖畔などの水辺(riparian zone)には,水中から羽化する昆虫などを巡って数多くのクモが集まる.多くのクモは水辺の灌木上に網をかけて採餌するが,一部の小型種には水面に直接網を張るものが知られている.演者らは,カラカラグモ科カラカラグモ属のうち,湿地水面から採集される2種(ミナモカラカラグモ,アメイロカラカラグモ)が,網糸の一部を水面に付着させることで網を水面に保持させていることを野外観察によって明らかにした.そこで本研究では,水を張ったプラスチック容器にアーチ状の鉢底ネットを足場としてかぶせた装置を用い,陸棲,水面棲を含む複数種のカラカラグモ属のクモを飼育下で造網させた.これにより,陸棲種と水面棲種の間で,水面環境が提示された際に作成される網のタイプ(陸棲網か水面網か)の割合が異なるかを検証した.また,水面棲種の網作成過程を動画撮影することで造網行動の全過程を記載すると共に,陸棲網の作成過程との比較を行った.


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