| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨
ESJ70 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-154  (Poster presentation)

アラスカ内陸部クロトウヒ疎林における土壌呼吸速度と土壌昇温実験計画【B】
Soil respiration rates and a soil-warming experiment project in an open black-spruce forest in interior Alaska【B】

*甘田岳(海洋研究開発機構, アラスカ大学), 渡辺力(北大低温研), 森章一(北大低温研), 斎藤史明(北大低温研), 藤田和之(北大低温研), 伊川浩樹(北農研), 岩花剛(アラスカ大学), 永野博彦(新潟大学), 野口享太郎(森林総研), 斉藤和之(海洋研究開発機構, アラスカ大学), 滝川雅之(海洋研究開発機構), 小林秀樹(海洋研究開発機構, アラスカ大学)
*Gaku AMADA(JAMSTEC, UAF), Tsutomu WATANABE(Hokkaido Univ.), Shoichi MORI(Hokkaido Univ.), Fumiaki SAITO(Hokkaido Univ.), Kazuyuki FUJITA(Hokkaido Univ.), Hiroki IKAWA(HARC), Go IWAHANA(UAF), Hirohiko NAGANO(Niigata Univ.), Kyotaro NOGUCHI(FFPRI), Kazuyuki SAITO(JAMSTEC, UAF), Masayuki TAKIGAWA(JAMSTEC), Hideki KOBAYASHI(JAMSTEC, UAF)

近年、周北極域において温暖化が急速に進行しており、生態系における永久凍土融解の影響が懸念されている。地温上昇による永久凍土融解は、土壌に蓄積された有機体炭素の分解を促進し、温室効果ガス放出を増大させることで、温暖化に正のフィードバックをもたらす可能性がある。しかし、周北極域における代表的な生態系の一つである永久凍土上トウヒ疎林において、温室効果ガス放出に対する永久凍土融解の影響は明らかではない。本研究では、アラスカ州フェアバンクス近郊のトウヒ疎林にて、埋没ヒーターを用いた土壌昇温実験、及び自動開閉チャンバーを用いた温室効果ガス観測を行うことで、永久凍土融解の温室効果ガスフラックスへの影響を評価することを目的とした。活動層厚(永久凍土上で季節的に融解する土壌層の厚さ)が最大80cmのトウヒ疎林において、長さ1mのヒーターを38本鉛直に埋め込み、近傍にヒーターを設置しない非昇温サイトに比べ昇温サイトの地温が2度高い状態に維持する土壌昇温システムを構築した。また、昇温・非昇温サイトそれぞれに自動開閉チャンバーを設置し、土壌からの二酸化炭素放出速度、及び下層植生による二酸化炭素固定速度のモニタリングを行った。本発表では、2023年春に昇温開始を予定している土壌昇温実験に関して紹介するとともに、2022年に昇温条件なしで測定した二酸化炭素フラックスのデータを発表する。


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