| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨 ESJ70 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-255 (Poster presentation)
科学館の展示を通した学びの内容は、新しい知識を得る(これ○○だって!)だけでなく、純粋な驚き(ヤバ!)や、疑問点を見つけ仮説を立てる(これって××だからじゃない?)など、観覧者ごとに様々である。本研究は、科学館における展示物がどのような教育効果を持つのかを推定するために、観覧者が行う会話内容を収集し分析する。長崎ペンギン水族館の来館者のうち、会話データ採取に同意した親子80組を対象に、調査を実施した。
会話内容を、「名前を言う」「解説を読む」「複雑な推定」「予測」など16種類に分類し(Allenの学習会話分類)、さらに「知識・理解」「分析・統合」など6種類に分類した(Bloomの教育目標分類)。これにより展示がどのような会話を引き起こし、どのような学習効果を持つのか、頻度分布で表すことができる。さらに単語がどのような文脈で発話されたのかという「会話の流れ」を明らかにするために、会話の中で単語がどのような組み合わせで出現しているかを示す共起ネットワークを生成する。本発表では、とくに「生物の名前を通した学びの促進」に注目して調査結果を報告する。