| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨
ESJ70 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-263  (Poster presentation)

里山の生物多様性を育む農林業活動に対する市民の意識
Citizens' awareness of agricultural activities to create biodiversity in Satoyama landscapes

*小林慶子(農研機構・西農研), 今井葉子(東京大学), 上市秀雄(筑波大学)
*Yoshiko KOBAYASHI(WARC/NARO), Yoko IMAI(Tokyo Univ.), Hideo UEICHI(Tsukuba Univ.)

世界的に持続可能なライフスタイルに対する市民の関心が高まりつつある。我が国においても持続可能な企業や商品を支持する市民の割合が7割近くに達している。このような持続可能な商品や取り組みに対する市民の選好が見込まれる社会においては、里山で営まれてきた伝統的な農林業活動の生物多様性保全効果を周知することで、その価値を向上させられる可能性がある。そこで本研究では、里山で営まれてきた農林業活動の「生物多様性保全効果」を市民がどのように認知しているか、また、それが市民の環境保全や商品選択の行動意図に影響を及ぼしているかについて、社会心理学の調査手法を用いて設計した全国規模のWebアンケートデータを用いて整理した。

Webアンケートは、2022年12月に日本全国の20代以上の男女を対象に実施し、8,378人分の回答を得た。その結果「里山の知識」は3割以上の市民に浸透しているものの、それが保全意図や商品選択の行動意図に直結はしておらず、「社会的規範感」や「共感」などの認知が影響する可能性が示唆された。


日本生態学会