| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨 ESJ70 Abstract |
シンポジウム S03-2 (Presentation in Symposium)
森林土壌は温室効果ガスのメタンを吸収することが知られているが,その定性的かつ定量的な解明は未だ途上である。メタンの吸収強度(フラックス)の支配要因として,火山灰を母材とする土壌は大きい可能性が指摘されている。そこで本研究では,全国9ヶ所の森林の火山灰土壌の指標であるAlo+1/2Feoと土壌メタンフラックスの関係を探ることを目的とした。
測定は2022年に沖縄県与那,宮崎県田野,熊本県阿蘇,福岡県糟屋,鳥取伯耆町,岡山蒜山,鳥取三朝,秋田小泉潟および秋田五城目において行った。メタンフラックスの測定にはポータブルチャンバーを用いた。これはガス分析計としてABB社のLGR-ICOSを使用し,それに直径と高さがともに30 cmの円筒形のチャンバーを2つつないだものである。
土壌メタンフラックスは沖縄与那だけがプラスすなわち放出であったが他8ヶ所は吸収していた。Alo+1/2Feo値が高い森林ほどメタン吸収フラックスが大きいという関係は認められなかった。