| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第70回全国大会 (2023年3月、仙台) 講演要旨
ESJ70 Abstract


自由集会 W09-2  (Workshop)

小笠原におけるグリーンアノールの被害と対策
Extent damage on insects by Anolis carolinensis and its conservation measures in the Ogasawara Islands, Japan

*堀越和夫(小笠原自然文化研究所)
*Kazuo HORIKOSHI(Institute of Boninology)

小笠原諸島では、有人島の父島(1960年代)と母島(1980年代)に北米原産のグリーンアノールに侵入したとされ、両島とも全域まで分布拡大した。在来種のオガサワラトカゲが減少し、また多くの昼光性の昆虫類が衰退または消滅している。2013年3月に、世界自然遺産地区として自然環境の保全度が高い、無人島である兄島にグリーンアノールが新たに発見された。この事態に対し、管理機関は希少な昆虫相と乾性低木林を含む生物群集全体が存続の危機にさらされる緊急事態と判断し、グリーンアノール対策ワーキンググループを設置し、そこで中期的な対策方針のロードマップを作成して、小笠原諸島全体における防除対策を包括的に進めている。本稿では、ワーキンググループの現座長として、特に兄島での保全対象の現状と対策について紹介する。


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