| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(口頭発表) D03-06  (Oral presentation)

ホタルブクロの花色多型を規定する要因【B】
Factors regulating the polymorphism in flower color of Campanula punctata【B】

*張瑞琪, 阿部晴恵(新潟大・佐渡自共セ)
*Ruiqi ZHANG, Harue ABE(Niigata Univ.)

ホタルブクロ(Campanula punctata Lam.)は、関東・中部の山地では花弁色を持つ一方、その他の地域では主に白色である(阿部ほか 2023)。この色の地域差にはポリネーターとの関係、環境の特徴、分布変遷が影響している可能性がある。環境要因としては標高、海岸線からの距離、森林面積率、市街化区域面積率などが考慮される。本研究では、特に環境要因に注目して花色の地域差に及ぼす影響を解明することを目的とした。
日本全国での花弁色の地理的分布を明らかにし、花弁色とポリネーターガイドについて合計574サンプルの測定を行った。花弁色の地理的分布では、海岸線近くに白花が多くなる傾向が観察された。花弁色について環境要因との関係についてGLMMで解析を行った結果、海岸線からの距離と市街化区域面積率が高くなると、有色花が増加することが示唆された(P<0.05)。ポリネーターガイドの解析では、有色花の斑点の面積率が高く(P<0.05)、斑点は奥に集まる傾向があった(P<0.001)。佐渡島と本土の比較では、佐渡島は白花でありポリネーターガイドの面積率が低かった。ポリネーターガイドと環境要因と関係についてLMM解析を行った結果、標高と海岸線からの距離の交互作用が同時に増加する場合は、ポリネーターガイドの斑点の面積率が高くなった(P<0.005)。本研究において、花色の差異は複数の環境要因による影響が示唆された。


日本生態学会