| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(口頭発表) E02-04  (Oral presentation)

個体群の予測を最適化するアグリゲーション法の開発と検討
Development and examination of aggregation methods to optimize  forecasting population dynamics

*岩下源, 近藤倫生(東北大学)
*Gen IWASHITA, Michio KONDOH(Tohoku Univ.)

個体群動態の予測は生態系の保全や資源管理などの応用面と個体群動態の理解の両面で重要である。多種の時系列データから着目した種の個体群動態の予測モデルを作成するには、着目した種の動態に影響を与える生物種を探索することが必要になる。着目した個体群の動態に影響を与える生物群をいくつかの複数の変数に集計(アグリゲーション)することで個体群動態の予測が改善する可能性がある。なぜなら、種間の相互作用を決定する特徴が種の特徴と一致しない可能性があるからだ。例えば、濾過食性の捕食者にとっては捕食するか決める特徴は種というよりも体サイズだ。生物群を生態学的特徴に基づいて(e.g.体サイズ)複数のグループにアグリゲーションする方法は提案されている。しかし、生物間相互作用の多様性を考えると個体群動態の予測には一つの特徴でアグリゲーションすることは不十分である。なぜなら、捕食で重要になる形質と競争で重要になる形質は異なる可能性が高いからだ。そこで、本研究では多種の時系列データから最適なアグリゲーションをデータ駆動的に探索する手法を提案する。具体的には非線形時系列解析(EDM)と焼きなまし法を組み合わせ、最適な個体群動態の予測を目指した。本発表では本手法を人工データと琵琶湖の植物プランクトンの時系列データに適用した結果を検討する。琵琶湖の植物プランクトンデータは琵琶湖環境科学センターのデータを利用した。


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