| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(口頭発表) F01-04  (Oral presentation)

環境DNAハプロタイピングに基づくブラックバス3種の分布拡大経路推定
Environmental DNA haplotyping revealed the dispersal process of three invasive black basses in Japan

*脇村圭(大阪大谷大学), 松崎慎一郎(国立環境研究所), 荒木仁志(北海道大学), 北野聡(長野県環境保全研究所), 津田吉晃(筑波大学), 坪井潤一(水産研究・教育機構), 畑啓生(愛媛大学), 槻木玲美(松山大学), 八柳哲(北海道大学), 神藤友宏(筑波大学), 内井喜美子(大阪大谷大学)
*Kei WAKIMURA(Osaka Ohtani Univ.), Shin-ichiro MATSUZAKI(NIES), Hitoshi ARAKI(Hokkaido Univ.), Satoshi KITANO(NECRI), Yoshiaki TSUDA(Univ. Tsukuba), Jun-ichi TSUBOI(FRA), Hiroki HATA(Ehime Univ.), Narumi TSUGEKI(Matsuyama Univ.), Tetsu YATSUYANAGI(Hokkaido Univ.), Tomohiro KANDO(Univ. Tsukuba), Kimiko UCHII(Osaka Ohtani Univ.)

北米原産の淡水魚であるブラックバス類は、世界各地に移入され、捕食や競合を通して現地の在来種に大きな影響を与えている。日本においては、1925年に導入されたオオクチバスが全国に定着しているが、近年、フロリダバス、コクチバスが急速に分布を拡大していることが深刻な問題となっている。本研究では、環境DNA分析を用いて、これらブラックバス3種の在不在およびミトコンドリアDNA種内多型を同時に検出する手法を開発した。日本各地(121地点)で採水を行い、ブラックバスの侵入実態を明らかにした。また種内多型の分析を行い、オオクチバスについて8タイプ、フロリダバスについて9タイプ、コクチバスについて2タイプのハプロタイプを検出した。さらに、これらハプロタイプの分布から各種の分布拡大経路を推定した。広域多地点における調査を展開しやすい環境DNA分析を用いた本アプローチは、外来生物の早期発見・早期防除に貢献すると期待される。


日本生態学会