| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨 ESJ71 Abstract |
一般講演(口頭発表) F01-04 (Oral presentation)
北米原産の淡水魚であるブラックバス類は、世界各地に移入され、捕食や競合を通して現地の在来種に大きな影響を与えている。日本においては、1925年に導入されたオオクチバスが全国に定着しているが、近年、フロリダバス、コクチバスが急速に分布を拡大していることが深刻な問題となっている。本研究では、環境DNA分析を用いて、これらブラックバス3種の在不在およびミトコンドリアDNA種内多型を同時に検出する手法を開発した。日本各地(121地点)で採水を行い、ブラックバスの侵入実態を明らかにした。また種内多型の分析を行い、オオクチバスについて8タイプ、フロリダバスについて9タイプ、コクチバスについて2タイプのハプロタイプを検出した。さらに、これらハプロタイプの分布から各種の分布拡大経路を推定した。広域多地点における調査を展開しやすい環境DNA分析を用いた本アプローチは、外来生物の早期発見・早期防除に貢献すると期待される。