| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(口頭発表) G01-02  (Oral presentation)

アンデスーアマゾン地域の山地林における森林劣化評価【B】
Forest degradation asessment in mountain forests of the Andes-Amazon region【B】

*宮本和樹(森林総合研究所), 平田泰雅(森林総合研究所), 楊偉(千葉大学), 佐藤保(森林総合研究所), Sonia PALACIOS(UNALM Peru), Juan Carlos OCANA(UNALM Peru), Alexs ARANA(SERFOR Peru), Ricardo DE LA CRUZ(SERFOR Peru)
*Kazuki MIYAMOTO(FFPRI), Yasumasa HIRATA(FFPRI), Wei YANG(Chiba Univ.), Tamotsu SATO(FFPRI), Sonia PALACIOS(UNALM Peru), Juan Carlos OCANA(UNALM Peru), Alexs ARANA(SERFOR Peru), Ricardo DE LA CRUZ(SERFOR Peru)

南米のアンデス山脈からアマゾンへ至る山地森林生態系は多様な自然条件の下で高い生物多様性を誇るホットスポットのひとつである。しかし、他地域同様、この地域の森林においても、伐採、火入れ、土地利用変化等の人為攪乱の影響により森林劣化が進行し、炭素蓄積の低下や生物多様性の喪失が引き起こされている。森林劣化からの回復と持続可能な森林管理へ向けた方策を考えるためには、森林劣化の状況を定量的に評価することが重要である。しかし、ユーカリなど単一樹種からなる植林にみられるように、森林の炭素蓄積だけでは森林劣化の評価が限定的であることから、生物多様性の側面からも森林劣化を評価することが重要である。
アンデス-アマゾン地域の森林劣化を森林炭素と樹木群集組成の点から評価するため、地上多点調査と衛星データを用いて広域評価を試みた。調査地はペルー共和国のアプリマック州ウワニパカとクスコ州ヤナティレである。ウワニパカは標高3000~4000 mのアンデス山岳地域、ヤナティレは標高1000~3000 mで主にアマゾン上部熱帯林域に属する。各調査地で半径20mの円形プロットによる多点地上調査を行い、幹直径、樹高および樹種に関するデータを得た。これらに基づき、プロットごとに地上部現存量と群集組成の非類似度(非計量多次元尺度法、NMDSにより序列化した第1軸のスコア)を求めた。また、ランドサット8の衛星データを用いて正規化植生指数(NDVI)、改良型植生指数(EVI)、正規化燃焼率(NBR)といった各種指数を求め、これらを説明変数として地上調査から得られた地上部現存量および群集組成の非類似度をそれぞれ推定する統計モデルを作成した。これに基づき、調査地における森林劣化の状況を広域評価する手法のプロトタイプを作成した。本発表では、得られた森林劣化の広域評価手法の有効性と今後の展開について議論する。


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