| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨 ESJ71 Abstract |
一般講演(口頭発表) G02-08 (Oral presentation)
生物多様性を将来予測するには、何でも込みの複雑モデルと、少数の基本法則から始まる数理モデルと、どちらが適しているか。生態学研究現場の多くで直面する問題であり、生態学専門誌でもしばしば生態学者による論説が掲載され、大きな反響を呼んでいる。ところで、この問題は科学哲学の業界で様々な科学分野について議論されてきている問題である。2000年代に入り、科学哲学者も基礎科学としての生態学の哲学的考察を本格的に始めており、生態誌に掲載された論文について、論考を加えている。その多くは哲学の業界内のものだったが、2020年ころから、哲学専門誌に掲載された論文を引用する論文が生態誌にも掲載されるようになった。この講演ではこうした経緯を概観しながら、科学哲学者の論考が生態学者に恩恵をもたらしているか。生態学者はこれから科学哲学とどう付き合うべきかを考察する。