| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨 ESJ71 Abstract |
一般講演(口頭発表) G03-03 (Oral presentation)
2014 年から 2023 年の春から秋にかけて、オーストラリアの内陸河川であるマランビジー川の総一次生産 (GPP) と生態系呼吸 (ER) を調査した。調査方法としては、日ごとの GPP および ER 率を、ベイジアン単一ステーション推定法 (Grace et al. 2015; Song et al. 2016; Giling et al. 2018) で算出する方法を用いた。その結果、調査した地点域のマランビジー川は、主として呼吸(分解)域 (GPP/ER<1) として機能していることが分かった。GPP/ER に影響を与える要因には河川流量があるが、その関係には幅があり、他の要因(特に水温)の年ごとの変動なども川の代謝状態に影響を与えていると考えられる。今後これらの要因の解析が、魚を含む水生生物の生息地と川の生産性のサポートを目的とする環境水の供給の時期、量、期間等を決める上で重要である。