| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(口頭発表) G03-08  (Oral presentation)

北海道東部の河畔林における下層植生刈払いが土壌に与える影響【B】
Effects of mowing understory vegetation on soil in riparian forests in eastern Hokkaido【B】

*佐々木章晴(北海道大学)
*Akiharu SASAKI(Hokkaido University)

北海道東部標津町の採草地および隣接する河畔林において,複数の筋状の植生刈り取りを実施し,土壌および河川水質への影響を検討した。採草地はチモシー,リードカナリーグラス主体であり,河畔林の採草地側の辺縁部にはイタドリが存在した。河畔林内はシナノキが主体であった。7月中旬に幅2mで植生を高さ10㎝まで刈払い機で河岸まで刈り払った。刈り取り筋は合計20本設定した。刈払い直後と10月下旬に土壌を採取し,地下30㎝の土壌ORPを測定した。採取した土壌は風乾砕土後,pH,硝酸態窒素,全炭素,塩基置換容量,交換性塩基を測定した。採草地の土壌ORPは,10月下旬の方が上昇した。また,硝酸態窒素,交換性塩基は,10月下旬では採草地よりも河畔林内の値が上昇した。一方,塩基置換容量は10月下旬で上昇した。土壌ORPの上昇は通気性増大,また,硝酸態窒素などの移動は,土壌水の採草地から河川への流下増大が考えられた。


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