| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(口頭発表) H01-03  (Oral presentation)

インドネシア・ポソ湖のメダカ属魚類における同所的種分化のゲノム基盤【B】
The genomic basis of sympatric speciation in fishes of Oryzias in Lake Poso, Indonesia【B】

*柿岡諒(琉球大学), 安齋賢(京都大学), 田中理映子(東山動植物園), 佐藤正祐(東山動植物園), 北野潤(遺伝研), 木村亮介(琉球大学), 山平寿智(琉球大学)
*Ryo KAKIOKA(Univ. Ryukyus), Satoshi ANSAI(Kyoto Univ.), Rieko TANAKA(Higashiyama Zoo Bot. Gard.), Masahiro SATO(Higashiyama Zoo Bot. Gard.), Jun KITANO(Natl Inst. Genet.), Ryosuke KIMURA(Univ. Ryukyus), Kazunori YAMAHIRA(Univ. Ryukyus)

インドネシア・スラウェシ島のポソ湖では,湖内に生息するメダカ属の3種,Oryzias nebulosusOryzias orthognathusOryzias nigrimasが同所的に種分化したと考えられる.同所的種分化は,生殖隔離の成立が困難であるため起きる条件が限られている.主要な条件として資源分割と同類交配が共に進化することが挙げられるが,これを可能にする遺伝的な機構には不明な点が多い.他種からの遺伝子浸透が遺伝的変異を供給し,新たな表現型が生じて生殖隔離が促進される可能性は指摘されているが,まだ理解は進んでいない.上記3種間には資源分割と同類交配が成立しており,これらが複合して3種間での生殖隔離に寄与していると推察される.また近隣のティウ湖に生息するOryzias soerotoiからは過去に遺伝子流動があったことも示唆されている.ポソ湖のメダカ属魚類は同所的種分化の研究に恰好の系であると考えられるものの,種分化を可能にした遺伝基盤など生殖隔離が進化した過程は不明である.本研究は,ポソ湖におけるメダカ属魚類ので起きた同所的種分化の進化メカニズムを明らかにすることを目的とし,集団ゲノム解析と量的遺伝子座(QTL)解析を行う.種間の遺伝的分化のゲノム変異を元に,種間の歴史的な遺伝子流動や自然淘汰の痕跡について議論する.またQTL解析により,生殖隔離に寄与するとみられる表現型の種間差の遺伝基盤について議論する.


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