| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-015  (Poster presentation)

北アルプス北部地域におけるニホンジカの夏季と冬季の生息地選択【A】【O】
Seasonal habitat selection of sika deer in the northern part of the Northern Japan Alps【A】【O】

*束田優介, 瀧井暁子, 泉山茂之(信州大学)
*Yusuke TSUKADA, Akiko TAKII, Shigeyuki IZUMIYAMA(Shinshu Univ.)

長野県北アルプス地域では、2000年代に入ってからニホンジカの生息域が拡大傾向にあり、高山帯へのニホンジカの定着が危惧されている。北アルプス北部山麓では2012年からGPSテレメトリーによるニホンジカの個体追跡により、季節移動個体と定住個体が確認されている。本研究では、季節移動個体と定住個体それぞれについて夏季と冬季の生息地利用を明らかにすることを目的として生息地選択解析と食痕調査を行った。解析個体は2017~2022年にGPS首輪を装着した23頭(オス9頭、メス14頭)とした。夏季と冬季行動圏おいて一般化線形混合モデル(GLMM)により生息地選択性を明らかにした。説明変数は植生、標高、土地傾斜角度および斜面方位、目的変数は各個体の行動圏における利用データ(GPSデータ)と利用可能データ(行動圏内のランダムポイント)とした。また、現地踏査することができた21頭(季節移動16頭、定住5頭)の夏季行動圏の集中利用場所において食痕調査を行った。GLMMの結果、ニホンジカは人為改変地を避ける傾向にあった。冬季は、尾根や低標高域など積雪量の少ない地形を有意に選択していると考えられた。食痕調査の結果、食痕数はスノキ、ハナヒリノキ、ユキグニミツバツツジの順に多く、スノキでは矮小化個体も確認した。そのため、当地域では夏季にツツジ科低木が主要な採食物と考えられた。


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