| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-075  (Poster presentation)

拘束か誘引か:巣仲間の化学的痕跡がアリの行動に及ぼす影響【A】【O】
Arrested or attracted: how chemical trace of nestmates affect individual ants' behaviors【A】【O】

*兼田典佳, 土畑重人(東京大学)
*Norika KANEDA, Shigeto DOBATA(Tokyo Univ.)

社会性昆虫は、巣内で密な個体集合を形成しているが、集合性を巣場所の文脈から切り離して評価した研究は意外にも少ない.アミメアリPristomyrmex punctatusは開放環境においても安定して高い集合性を示すため、そのような評価に適している。昆虫では一般に、集合フェロモンの存在が知られており、その効果には、他個体の誘引効果・拘束効果が識別される。本研究では、アミメアリの集合行動において他個体が分泌した化学的痕跡が果たす役割を明らかにするため、他個体による床面への条件づけが個体の歩行に及ぼす影響をビデオ解析した.内勤個体集団によって床面の半分を条件づけし、そこに導入した同巣・異巣由来の外勤個体の歩行軌跡を取得した。外勤個体はほとんどの場合、条件づけされた床上を選択的に歩行した 。これは、巣仲間からの化学痕跡が個体を「拘束」する効果があることを示している。発表では、歩行軌跡から取得した諸特徴量を床面間、同巣・異巣由来間で比較解析するとともに、演者らが並行して解析している集合形成過程と関連づけて議論を行う。


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