| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨 ESJ71 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-117 (Poster presentation)
魚類の繁殖活動は、個体群サイズの変動や分布の変化を理解する上で重要なモニタリング対象である。しかし、繁殖活動の規模や時期、場所を継続的に観察することは、それらの殆どが我々の目に映らない水面下で起こるために困難である。そして、身近な水生生物であっても自然環境下で繁殖がどのように起こるのかが不明な種は少なくない。本研究では、環境DNAのメチル化解析によって、水サンプルからゼブラフィッシュ(Danio rerio)の繁殖活動の痕跡を検出する手法を開発した。従来の環境DNA分析では、DNA検出量の多い・少ないによって活発な繁殖が起きたことを推定をしていたが、メチル化解析を実施することで、精子や卵などの配偶子に由来する環境DNAを区別できるようになる。この取り組みにより、将来的には、採水調査を通じて繁殖モニタリングがより簡便で持続可能になり、また、観察が困難な水生生物の繁殖調査も実現できると考えられる。