| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-142  (Poster presentation)

本州中部の異なる立地環境の水田畦畔におけるハナバチ群集の種構成及び植物の利用様式【A】
Species composition of bees and use of plants in different habitat of paddy field in central Honshu, Japan【A】

*滝川大成, 大窪久美子(信州大学)
*Taisei TAKIGAWA, Kumiko OKUBO(Shinshu Univ.)

ハナバチ類は植物の花蜜・花粉を餌資源として利用する訪花昆虫であり、長い年月をかけて植物と共進化を遂げ、互いの繁栄に大きな影響力を有している。ハナバチ類と植物の種間関係の解明は、近年重要視されている里地里山の生物多様性保全の手がかりになると考えられる。本研究は本州中部の水田畦畔におけるハナバチ類群集の種構成及び植物の利用様式を解明することを目的とした。
調査地は中山間地に位置する水田地域において、基盤整備の有無、天竜川からの位置関係を考慮してa~fの6地区を選定した。調査はハナバチ類群集調査、植生調査、土地利用調査、聞き取り調査の4項目について実施した。ハナバチ類群集調査ではルートセンサスを実施し、開花植物に訪花しているハナバチ類及び開花植物を記録した。
全地区で計5科16属65種2,115個体のハナバチ類が確認された。また、希少種としてホンシュウハイイロマルハナバチやウスリーマルハナバチ、クロマルハナバチが出現した。一方、外来種はタイワンタケクマバチとセイヨウミツバチが確認された。
調査地内ではc地区(38種)で種数が、e地区(530個体)で個体数が最大となった。主な構成種はセイヨウミツバチ、アカガネコハナバチ、トラマルハナバチ、ヤマトツヤハナバチ等であり、特にミツバチ科が多かった。ハナバチ類が訪花した植物種は66種で、特にマメ科(1290)とキク科(522)への訪花頻度が著しく多かった。マメ科には主にミツバチ科・ハキリバチ科、キク科にはコハナバチ科、ムカシハナバチ科が選好する傾向がみられ、これらの種間関係はハナバチ類の中舌の長さや体サイズによる影響が大きいと考えられた。外来種訪花頻度は全体で53.9%と半数以上を占め、在来ハナバチによる外来植物の利用が多く確認されことから、本調査地では在来ハナバチと外来植物の種間関係が築かれつつあることが危惧された。


日本生態学会