| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-212  (Poster presentation)

兵庫県六甲山系の二次林の立木間中央がもたらす斜面崩壊防止力の定量評価【A】
Evaluation of slope stability at the center of standing trees in a secondary forest in Mt. Rokko【A】

*今若舞(兵庫県立大学), 山瀬敬太郎(兵庫農林水産技術セ), 平野恭弘(名古屋大学), 谷川東子(名古屋大学), 池野英利(福知山公立大学), 檀浦正子(京都大学), 藤堂千景(兵庫農林水産技術セ), 大橋瑞江(兵庫県立大学)
*Mai IMAWAKA(University of Hyogo), Keitaro YAMASE(Hyogo Pref. Tech. for AFF), Yasuhiro HIRANO(Nagoya University), Toko TANIKAWA(Nagoya University), Hidetoshi IKENO(The University of Fukuchiyama), Masako DANNOURA(Kyoto University), Chikage TODO(Hyogo Pref. Tech. for AFF), Mizue OHASHI(University of Hyogo)

森林は多面的機能を有しており、その中の一つに斜面崩壊防止力がある。この力は樹木根が土壌のせん断抵抗力を補強することにより発揮される。そのため、根の影響力が最小となる樹木と樹木の中央部分、すなわち立木間中央にて根による土壌補強強度が最弱になると考えられている。この土壌補強強度を定量的に評価する手法としてRoot Bundle Model (RBMw)がある。このモデルは根の力学特性を考慮し、変位(根が動いた距離)に伴い変化する土壌補強強度を算出する。一般的に土壌補強強度は、大きな根系を持つ高木種が強い力をもたらすと考えられ、低木種など他の種についてはあまり考慮されてこなかった。しかし日本には樹種が混在する二次林が多く広がっている。そして林内では高木種と低木種のように形態の異なる樹種同士で立木間中央が構成されている。そこで本研究は、二次林の立木間中央にて樹種ごとに土壌補強強度がどのように異なるのか、RBMwを用いて明らかにすることを目的とした。調査地は兵庫県神戸市の六甲山系におけるアカマツ二次林とした。高木種のアカマツを対象に、低木種のヒサカキ、小高木のヤブツバキ、タムシバの3種の組み合わせで立木間中央をそれぞれ8か所、5カ所、5カ所設定した。その後、立木間中央を中心に幅1m×深さ1mの土壌断面を作成し、断面に露出した直径1㎜以上の根の直径、樹種を測定した。またRBMwの計算に必要なパラメータ値を得るため、引き抜き試験、変位試験、根長試験を実施した。ここで得られた値を用いてRBMwによる土壌補強強度を算出した。その結果、アカマツが最も高い土壌補強強度を示した。ヒサカキは2番目に高い土壌補強強度を示した。ヤブツバキは、土壌補強強度は小さいものの、変位地点に関わらず一定の強さを発揮した。タムシバは小さい変位地点において瞬発的に土壌補強強度が示された。樹種ごとに示された土壌補強強度の違いは根の形態や力学特性によってもたらされていると考えられる。


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