| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨 ESJ71 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-303 (Poster presentation)
昨今の研究では、ゲノムワイドに取得した大量の遺伝子が頻繁に用いられており、系統解析や交雑解析で重要な役割を担っている。こうした解析に用いるSNPsを取得するステップには、主に、de novoアセンブリとreference-guidedアセンブリの2つがある。参照配列を用いずに遺伝子型を推定するde novoアセンブリは、対象種に由来しないリードのSNPsを間違って検出してしまう恐れがある。一方で、近縁種の配列情報を参照に用いてreference-guidedアセンブリを行うと、変異が多く入った領域のリードを誤ってライブラリから除外してしまう恐れがある。2つのアセンブリ方法の違いは、解析に用いるSNPsの違いを通じて系統・交雑解析の結果にも違いをもたらす可能性があるが、これまで、それぞれのアセンブリで行った遺伝解析結果を比較することはあまりされていない。本発表では、熱帯低木Ixora 5種のISSR領域のショートリードをMIG-seq法で取得し、2つのアセンブリ法に基づいて行った遺伝解析の結果を比較した。その結果、系統解析では両者間に大きな違いは見られなかったが、交雑種の検出には無視できない違いが見られた。発表では、この違いが具体的に何に起因していたのかについても検討する。