| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨 ESJ71 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-342 (Poster presentation)
近年、外来種の導入による生物多様性の喪失が世界的に問題となっている。特に島嶼部では外来種による影響が大きくなることが知られている。侵略的外来種であるネコ(Felis catus)は、世界中の島々で在来の生態系に影響を与えていることが知られている。日本の島嶼部においても、在来種への影響が認識されつつあるが、研究例は依然として少なく、ネコが生態系に与える影響の知見が不足している。山形県の離島である飛島では、これまで約300種の鳥類が確認されている。島内ではネコの生息が確認されており、ネコによる捕食等の影響が懸念されるが、生息状況や在来生物相への影響の実態は不明である。多様な鳥類相を含む飛島の生態系保全のためには、ネコの生息状況や在来生物相への影響を明らかにする必要がある。そこで、本研究では飛島におけるネコの空間分布並びに、ネコの食性を評価することによって、ネコの生息状況及び在来生物相への影響を解明する。
空間分布については、2022年4月~2023年10月に飛島各地に18個のカメラトラップを設置し、ネコの撮影頻度と優占植生タイプや集落からの距離等の環境要因、季節との関係を一般化線形モデルにより検証した。食性については、2023年5月~10月に飛島各地でネコのフンを採集し、目視や顕微鏡を用いて内容物の判別を行い、その組成を評価した。
本発表では、現時点での結果について議論する。