| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-373  (Poster presentation)

「Biome」を使った生物調査イベント参加者の行動分析【A】【O】
Behavior analysis of participants in biological survey events using "Biome"【A】【O】

*Tatsuki TSUJINO(Kyoto Sangyo Univ.), Hiroki J TAGA(Biome Co.,Ltd), Miyu SUGIYAMA(Biome Co.,Ltd), Takaaki J NISHIDA(Kyoto Sangyo Univ.)

近年、生物多様性保全の新たな活動方策として、市民科学の生物調査が注目されている。AI技術の進歩により生物写真を分析し、種を同定するアプリ(本研究では、「Biome」を使用)が普及し、これらを用いた市民科学の生物調査手法やデータの有用性に関する研究が行われてきた。自然観察会など、市民科学イベント普及において、参加者属性や参加動機を把握することは重要である。欧米においては、参加者の属性情報や参加動機に関する研究は行われている。しかし、日本国内の研究事例はほとんど存在しない。加えて、市民科学イベント中の参加者の行動に関する分析は行われていない。そこで、属性情報や参加動機の違いによる、参加者のイベントの貢献度(投稿数、行動範囲)に注目した。本報告では短期的な市民科学イベントを企画し、参加者の属性情報を収集し、単純集計した結果と行動分析を行うために「Biome」より投稿情報を収集し、カーネル密度推定法により参加者全体の投稿密度を可視化した結果について紹介する。本研究では、イベントごとに参加者に特定の生物種(以下、対象種)を提示し、対象種の生息場所を示したマップを作成し、イベント参加者に配布した。アンケート結果に関して、参加者の属性として、30~40代の回答が多く、全体の50%を占めており、10代と60代以上の参加者については、男性が大きな割合を占めていた。投稿情報を分析した結果、Biomeで投稿された生物種の多くは、Biome上で提示した対象種であった。また、参加者の投稿情報から、市民科学イベントの参加者の行動の傾向を把握することができた。


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