| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-381  (Poster presentation)

丹沢山地におけるマルチスペクトルカメラ搭載ドローンによる森林モニタリング【A】【O】
Forest monitoring using drone equipped with multispectral camera in the Tanzawa Mountains【A】【O】

*大西一歩(東京農業大学大学院)
*Kazuho OHNISHI(Tokyo Univ of Agriculture)

神奈川県丹沢山地では、森林衰退および森林の草地化の進行が近年認められている。活性度が低下している樹木(衰弱木)を広域モニタリングにより発見することは、森林管理の観点から重要である。分光反射特性から樹木の活性度を定量的に把握できることが知られており、ドローン空撮を活用することで省力化が可能であることも知られている。本研究では、丹沢山山頂付近においてマルチスペクトルカメラ搭載ドローンによる空撮を行い、撮影画像から機械学習手法の一つであるランダムフォレスト分類を用いて健康葉、褐変葉、および枝部分のピクセルを分類する学習モデルを作成した。学習用サンプルは撮影時に取得したグランドトゥルースをもとに作成した。分類の結果、機械学習モデルは総合精度が0.92、F1スコアが0.92を達成した。ランダムフォレスト分類における特徴量の重要性分析の結果、近赤外波長域反射率が最も重要な特徴量として示された。このモデルは、枝と健康葉の分類において高い適合率を示したが、褐変葉においては比較的に適合率が低下する傾向が見られた。本研究の成果から、樹木構成ピクセルの分類が比較的高い精度で可能であり、衰弱木の検出に資する情報となり得ることが示唆された。


日本生態学会