| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨 ESJ71 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-389 (Poster presentation)
気候変動による天候・気候パターンの変化、海面上昇は地球上の多くの生態系に顕著な影響を与えており、特に海鳥の生息地はその影響を強く受けている。しかしながら、日本における海鳥の分布に関する研究はまだ少なく、特には、気候変動の速度や範囲、その生態系への影響、特にウミネコなどの海鳥に対する具体的な影響の詳細なデータが不足している。そのため、日本におけるウミネコの生息地保護に向け、本研究ではSpatial Distribution Model (SDM)の一種であるMaxEntモデルを用いてウミネコの生息地分布を環境変数によりモデル化し、気候変動予測を踏まえた将来の生息地分布変化を推定する。ウミネコの分析においては、在データとWorldClimが提供する19種類の異なる生物気候変数を含むオープンデータを使用し、さらに既存の文献を参考にしてウミネコの栖息地の好みに基づく新しい環境変数を導入した。これらのデータは、現在および将来の異なるシナリオの下での状況をカバーしている。二つの代表的濃度経路(RCPs)をもとに、2050年と2070年の気候変動がウミネコの栖息地に与える潜在的な影響をシミュレーションした。
本研究により日本におけるウミネコの生息地推定を実現し、海鳥保護戦略の策定に向けた、具体的な科学的根知見を提供することを目標とする。